
会長あいさつ
病気の子どもと家族の「声」を聴くことを大切にしながら
さらなる教育支援の輪を拡げていきましょう!
栗山宣夫(育英短期大学)
この度、斉藤淑子会長の後任として会長を務めさせていただくことになりました栗山宣夫です。藤井進先生、鈴木茂先生、猪狩恵美子先生、斉藤淑子先生と引き継がれてきたバトンを受け取り、子どもを主体とした支援のあり方を丁寧に見つめ、その実現のために動いていきたいとあらためて強く思う次第です。
全国病弱教育研究会は、当事者の悩みや喜びに寄り添うことを基本として、現場の実践、実践を裏付ける研究、そして社会を動かしていこうという運動、これらにトータルに取り組む研究会であるところに大きな特徴があると思います。そのような会ですのでおのずと会員も、当事者(患児や元・患児や保護者)、現場の教員、保育士、医療従事者、福祉関係者、ボランティア、研究者等、実に多様です。歴代の会長は全て公立の特別支援学校の教員をおこなっていた方々です(猪狩先生、斉藤先生も後に大学の教員を務められていましたが、元々は養護学校(現・特別支援学校)の現場の教員としてお勤めでした。栗山も神奈川県立高校、東京都立養護学校・特別支援学校の教員を経て現在に至っております)。
会長着任にあたり、私の根幹にある教育観を少し記させて頂きます。「子どもはよく生きようとする働きを本来もっている」。これは私の教育学の恩師の村井実先生の言葉です。「その働きが活発に働くように援助することが教育である」。つまり大人が決めた「よい人間」に子どもを「作って」いくのではなく、「よさ」を探し求めて発達しようとする子どもの内面的な働きに必要な援助をすることが教育であるという、いわば「子どもを大人が作る」のではなく「子ども自らの育ちを援助する」、援助としての教育という考え方です。
よってそのよくなり方、どう学ぶか、何を学ぼうとするか等は子どもによって様々ということになります。また、同じ子どもでも状況によって変わることもあります。ゆえに教師は、どう関わったらよいかと常に柔軟に考える必要があり、柔軟に創造的に教育を実践していくところに教師としての専門性があると考えています。大人が既決した取組があり、それに適応させていこうとする姿勢ではなく「はじめに子どもありき」の姿勢で、その子どもの「学び」「発達」の過程の充実を目指していきたいものです。
本会はその実現に向けて、学習会、学習交流会、全国大会の開催や通信、研究交流誌の発行などをおこなっております。今後も皆様と共にその歩みをさらに進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。