2024年度活動方針
はじめに
医療の進歩による治療形態の変化(小児がん治療における入院の短期化・断続化等)に加え、コロナ禍以降における対面授業への制限や生活様式の変容、精神疾患の子ども達の増加など、病弱教育は大きな過渡期を迎え、今後の方向性をどう見据えていくのかが問われていると思います。
本研究会では、これまでの活動で培われてきた成果と理念を再度確認し、2024年度の活動方針を以下のように考えていきます。
活動の中心テーマに「真に切れ目のない学びの保障とその質の探求」を据え、その下に6つの柱を重点に据えて活動します。
① 様々な場で「つながりの質」を探求しつつ新たな教育活動を構築していきます。
・教育活動の中での子ども同士、子どもと教員のつながり
・「対面の良さ」を踏まえた上でのツールとしてのICTの活用と工夫
② 病気の子どもに関わる人たちの学び・交流の場を作り出していきます。
③ 当事者の声に学びながら支援のあり方について探求します。
④ 高校生の教育保障についてさらに研究を深め、実現に向けて活動を推進していきます。
⑤ 本研究会で得られた知見を様々な場に提言し発信していきます。
⑥ 次年度の山梨大会の成功を目指して準備を進めていきます。
1.研究交流活動
(1)学習会 オンラインと対面の併用での開催を考えます。
「病気の子ども理解を深め、現状と今後を見据えた上で、切れ目ない教育実践と多職種連携についての新たな探求」をテーマに事務局主催の学習会を企画します。
2025年度の全国大会を山梨県中心に開催する予定です。近県や全国事務局も協力し、プレ学習会などを企画し、実りある大会の実現を目指します。
昨年度から始まった「通信DE学ぼう」学習会を継続して行います。通信の原稿執筆者からの報告をもとに学びを深めあいたいと思います。
会員の皆様の要望を聞きながら実現を図ります。また地域での学習会の企画を援助します。
(2)学習交流会
日 時 2024年5月25日(土) 14:45~16:15 総会後に引き続き実施します。
講 師 遠山 和宏 氏(元山梨県病弱特別支援学校教員)
テーマ 「子どもに寄り添うとは~山梨県の病弱特別支援学校での実践から学んだこと~」
(3)通信の発行
年4回の発行を計画的に行います。会員のニーズを汲み取るため、会員の積極的な情報提供を呼びかけ、会員相互の情報交換の場となるよう工夫します。
(4)研究交流誌
2024年発行 Vol.29(39 号)
主な内容 学習交流会報告 要望書 投稿論文
(5)理解啓発活動
①「東京の病弱教育の主人公たち作品展」に協力
2023年度に3回実施した「東京の病弱教育の主人公たち作品展」を様々な場所で開催し、作品を通して、入院中の子どもたちにとって学びの大切さとこの教育の役割について理解を深める機会にしていきたいと思います。
現在、都立大学(時期は未定)、都留文科大学(10月下旬~11月上旬)での開催が内定しています。
(6)その他
病気の子どもの教育に関する実際の悩み、相談があればできるだけそれに応じた支援活動に努め、研究・交流で培ったものを社会に還元していく等、本会の目的に即した活動をおこないます。
2.組織・運営
(1)入会呼びかけ
学習会、ホームページ、Facebook 等で積極的に入会を呼びかけます。
(2)運営
① 事務局会議 定期の事務局会議の他必要に応じて年数回の会議の設定(ズーム会議と状況に応じて対面での会議)、担当者の打合せ会などを持ちながら活動の進捗を図るようにします。
② 世話人会 ズーム会議を年2回程度開催し、地域の情報を交流する機会にします。
③ 広報活動
・ホームページの活用 通信の巻頭言をHPに掲載するなど魅力あるホームページを目指します。
・会の紹介パンフレットをホームページからダウンロードできるようにするなど様々な機会と方法で活用できるようにします。
・学習会参加者に入会の呼びかけを積極的に行っていきます。
・テキストや交流誌、通信等の宣伝も様々な機会に行っていきます。
・会員の方々もそれぞれの方法で広報への積極的なご協力をお願いします。
(3)その他
・他団体との協力等、引き続き、関係する学会、研究会、研修会等の情報を通信等で会員に紹介します。また、関係諸団体との連携も強め、名義後援を相互に行うなど、連携・協働をすすめます。
・病気の子どもの教育に関する相談
ホームページに「病気の子どもの教育にご相談がある方はご連絡ください」というコーナーを設けます。担当が相談内容を聞き取り、必要に応じて情報提供や支援団体などへのつなぎ役を行います。